『本日のモヒカン向けニコマス』ヒャッハー!てつをPだー!(前編)

 全国のアイマスファンの皆さんごきげんよう
 一週間くらい見逃していたのですが、てつをPが新作をうpされたようですね。誰か教えてくれよ。


てつをPとは (テツヲピーとは) [単語記事] - ニコニコ大百科


 しっかしてつをPの動画って、普通のアイマス好きには分からないネタが多すぎるだろうなあ……

 というわけで今回は、貴様ら非力な弱者のために俺様が北斗×アイマス動画の面白さについて教えてやろう!(銀河万丈ボイスで)


今回解説するのはこちらの2つの動画。


原作ネタは抑えているという前提で、主に『格ゲー版北斗の拳』及び『中野TRF』に関するネタを解説していくよ!



まずはてつをPの動画を観るのに前提となる知識から。


格闘ゲーム北斗の拳

http://hokuto-no-ken.sega.jp/am/index.html

 2005年アーケードで稼動開始、セガ製作、アーク開発の対戦型格闘ゲーム。原作は言うまでも無く漫画『北斗の拳』。後にPS2にも移植されています。開発陣に相当な『北斗』好きがいるようで、かなり緻密な原作再現が面白い作品です。
 格闘ゲームとしては『ほぼ全キャラが実用的な一撃必殺技を持つ』のが最大の特徴で、緊張感溢れる対戦が可能なゲーム……のはずだったんですが……。
 
 『一撃必殺技が実用的過ぎて開幕数秒で死亡』*1、『バグによる超強力なコンボ*2の発見(後に『バスケコンボ』で解説)』『なぜかトキが余りにも強すぎる、他のキャラでも最大1:9という狂ったゲームバランス』*3、などの世紀末な状況に陥り、一時期はプレイヤーが激減するという憂き目に会いました。

 しかし、後述の『中野TRF』のモヒカン*4をはじめとする全国のプレイヤー達の研究・努力・広報により、『北斗は神ゲー(異論は認める)』『格闘ゲームと言うより世紀末スポーツアクションゲーム*5』という認識が広まり、現在ではかなり『競技人口数』が増えている模様。


 ニコニコ動画では格闘ゲームの対戦動画だけではなく、アニメに代わるネタ動画の素材*6として注目されています。てつをPの動画は全てゲーム版(PS2版)を元にしたもの。



○テーレッテー

 『北斗』最大の特徴、一撃必殺技が決まった際に流れるBGM。正式名称は『戦闘』だとか。
■参考記事:テーレッテーとは (テーレッテーとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
■参考動画



○中野TRF

中野TRFとは (ナカノティーアールエフとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
 東京は中野ブロードウェイにあるゲームセンターのこと。設置されている台の殆どが格闘ゲームで、毎日何らかの大会が開かれているそうです。その殆どはニコニコ動画にUPされており、【中野TRF】タグから辿ることができます。それゆえか【5様*7イチさん*8などのアイドルプレイヤーも多数。

 『北斗』初期からその世紀末っぷりを宣伝し続けたことに定評があり、現在の『北斗』隆盛はほぼこのゲーセンのスタッフ及び修羅たちの功績であるといえるでしょう。

 中野TRF動画最大の特徴は実況が凄まじいこと。関東屈指のユダ使いであり『実況全国一位』とも言われる【DAICHI】氏*9の実況は、テンションの高さ、流暢な喋りで多くのニコ厨に『北斗』への興味を沸かせました。DAICHI氏以外にも多くの名実況者がひしめいており、中野TRFの『北斗』動画は『北斗』を知らなくても楽しめるものになっています。
■参考動画



○ジョインジョイントキィ


 格闘ゲーム北斗の拳』においてトキを選択する際の音*10。転じてトキそのもの、或いは『北斗の拳』の狂ったゲーム性そのものを指すこともあります。

 原作漫画では病を押して必死に闘っていた悲劇の人トキですが、格ゲー版では何を間違えてしまったのか他者を寄せ付けない圧倒的な強さを誇り*11、『剛の拳よりもストロングな柔の拳』『浴びたのは放射能じゃなくてガンマ線』『トキはまさに世紀末』『ケンシロウ!暴力はいいぞ!』などと呼ばれ、「トキの所為で『北斗』は何かが崩れた」「『北斗』のプレイヤー人口が激減した諸悪の根源」などとも言われました。
■参考動画

*12

 その余りにも世紀末な強さにより「ジョインジョイントキィが聞こえた時点で捨てゲー決定」とすら言われ、「『トキ使い』は空気の読めない凶キャラ使い」と蔑まれていたことすらあります。

 しかし、昨今ではトキ対策と共に他のキャラの研究も進み、なんと全キャラが永久コンボ、及び一撃必殺技につなげられるコンボを持つという状況が生み出され、一時期からみるとキャラ間バランスの世紀末っぷりは緩和されていると言えます*13。現在ではトキ、レイ、ユダで三強とのこと。

 それでも北斗の次兄としての強さは未だに健在で、やよいのプロデュースでもパーフェクトコミュニケーションを連発。将来に期待の持てる稀代の名プロデューサーです。




さて、ここからはそんなジョインジョイントキィPの活躍が記された動画のネタを一つ一つ解説していきましょう!



○そう、君だよ君! まあ、こっちに来なさい。


 社長=ラオウは世紀末プロデューサーとしての先人、レイPへのリスペクト。
 
 ちょっと見づらいですが画面上部には「ジョイン ジョイン トキィ」の字幕が。



○「ほう、なんといい面構えだ。ピキーーン!! ときた!」


 通称「星取り」。
 『北斗』ではオーラゲージ*14、ブーストゲージ*15の他に『北斗七星ゲージ』が存在し、相手の七星ゲージを7つ減らす*16とご存知『死兆星』が輝いて、自分は一撃必殺技を放つことが出来るようになるというシステムになっています*17

 社長の「ティン!」の代わりに鳴った「ピキーン」は星が減った際のSE。



○「……処刑してやる」


 美希の秘孔を突こうとした*18ジョインジョイントキィPは、専属世紀末PであるレイPに処刑されます。
 黒カラーのレイは恐らく有名なレイ使いである【K.I】氏*19



○世紀末スポーツアクションゲーム


 ブーストゲージを用いて攻撃を連続して当てる『百烈コンボ』、壁に相手をぶち当てて跳ね返ってきた所に再び攻撃を当てる『壁コンボ(壁コン)』などでコンボ数を稼いでいくと、ある一定数を上回ったところで相手が奇妙な跳ね方をするようになります。ダウンするはずの相手が地面で跳ね返って、天高く舞い上がったところに再び攻撃を当てるとまた跳ね返って来るので、それを繰り返すことで永久コンボが完成します。このコンボはその動きから『ドリブル』『バスケ』などと呼ばれており、ほぼ全キャラがバスケを行えることから『北斗』のゲームバランスが世紀末であることの一因と言われています。

 ちなみにK.I氏のレイはどんな初心者に対しても容赦なく正確無比なバスケコンボを決めることで有名。K.I氏のレイとぶつかった際の『北斗』は「100円払ってコンボを見せてもらうゲーム」「100円払って席を立つゲーム」とすら言われています。



○「……命は投げ捨てるもの(キリッ)!」


今なら千葉繁字幕もあるよ!


 本来ならばトキの勝利時のセリフ「……命は投げ捨てるものではない!」という有情の言葉なのですが、勝利演出を途中で切ることで「……命は投げ捨てるもの!」と全く別のものに。トキのあまりにもあんまりな性能と相まって「こっちのセリフの方が正しいんじゃねえか?」と言われ普及しました。
■関連記事:命は投げ捨てるものとは (イノチハナゲステルモノとは) [単語記事] - ニコニコ大百科



○「セッカツハガンケン!!」

 「セッカッコー!」プラス「ホクト、ウジョウハガンケン!」の合わせ技。サンタは死ぬ。
 「セッカッコー!」とは、原作でトキがラオウ戦の前に使っていた、命と引き換えに筋力を引き出す秘孔「刹活孔」。ゲーム中では自分に打つと攻撃力UP、相手に打つと通常で星2つ、カウンターで星3つを奪い、さらに壁まで吹っ飛ぶので追いかけてバウンドした所から壁コンへ持ち込むことが出来るという凶悪な技です。さらに発生がやたらと速いので簡単にカウンターを取ることができ、ぶっぱなしでもあらゆる状況で十分強い。ぶっぱなしの刹活孔は「ブッパッコー!」とも呼ばれ、多くのプレイヤーの恐怖の的となると共に軽い蔑みの対象にもなっていました。
 もう一つの「ホクト、ウジョウハガンケン!」とは、原作ではトキが初登場の際に放った技「北斗有情破顔拳」。相手は快感を感じながら死んでいくという有情の拳です。ゲーム中では一撃必殺技になっているのですが、なぜかビーム演出。トキが持つ多くの強力な通常技から繋がり、さらに画面端まで一瞬で到達、尚且つジャンプしている相手への対空にもダウン追い討ちにも使えるというありえない汎用性から、「北斗の死因の半分以上は破顔拳によるもの」とすら言われているとか。

>∩(・ω・)∩<


 この2つの技を用いた「カウンター『セッカッコー』⇒『ハガンケン』、あるいはカウンター『セッカッコー』⇒屈み強キック⇒『ハガンケン』」のコンボは超強力で、闘劇'06の決勝戦で『紅の豚』氏がとどめとして用いたことから【紅の豚さんありがとう!!】「様式美」とも言われています。(詳しくは大百科参照)
■参考動画



○「ナギッ!」


 「ゆくぞっ!(これが「ナギッ!」に聞こえるらしい)」「捉えられまい」の掛け声と共に相手の周囲10種類のうちのどこかへ移動するトキの究極奥義。超高速移動だけでなく、出始め・終わりの隙は皆無、攻撃をナギッでキャンセル、ナギッを攻撃でキャンセル、ナギッをナギッでキャンセルできるという狂った性能を持っています。この技があるお陰でトキにはブーストゲージが不要*20

 ナギッを連発して相手のガードを崩し、壁へ吹っ飛ばした相手をナギッで追いかけ、コンボもナギッを使って位置調整し永久、という汎用性を持つ、まさに「セッカッコー」「ハガンケン」と共にトキの強さを支える技です。



○ジョインジョイン そして始まる世紀末P達の闘い


 キャラ選択時のBGMが『北斗』のものに。このカーソル移動音が「ジョイン」。



○VS聖帝P


 律子をスルーされてキレたのは、律子専属の『聖帝P』。映像はPS版『北斗』のもの。


 豪快に一撃必殺技「天翔十字鳳」*21を外す聖帝P。【えぐれホタテ】氏*22が放った「えぐれ真SP」の再現です。
■関連動画

14:20頃〜。屈指のサウザー使いでありながらも不可解なミスを繰り返す様は『醜態成』『NDK?』*23と揶揄されました。



○VSケンシロウP


 千早をプロデュースしようと思ったもののケンPに対決を挑まれるジョインジョイントキィP。途中までは優位に見えたものの、「破顔拳」をスカり「百烈拳」でテーレッテーされました。やはり世紀末救世主は強かった!



○VSレイP


 千早が駄目なら美希をプロデュースしようとするジョインジョイントキィP。しかしやはりレイPにブー小足連発*24のバスケを決められてしまうのでした。


 ちなみに、当時フリーだった世紀末アイドルはやよいと真の二人。千早はケンシロウPかユリアP、美希はレイP、あずささんはユダP、春香はシンP又はジャギP、雪歩はラオウP、律子はサウザーP、伊織はジャコウP、真美はアミバPが担当していました。


○ガッツ勢やよい


 「『ガッツソウル』勢力」略してガッツ勢。詳しくは大百科参照のこと。
■参照記事:ガッツソウルとは (ガッツソウルとは) [単語記事] - ニコニコ大百科



○「俺の名を言ってみろ!」


 ジャギの特殊投げ技。相手に三択クイズを仕掛けるというヘンテコな技です。相手が間違えるとダメージ。オーラゲージを全て消費する割にはあんまり使えない。

 当然ブロリーPは関係ない。



サウザーP「フフフハハハハハハハハハ!!!」


 ゲームには盲目の闘将シュウが出てきていませんが、シュウを葬った『槍』は健在
■関連動画

 1:10くらい〜。代役はトキ。



○「北斗 破流掌!!」


 コマンド入力後1フレームで発生する当て身投げ。通称「神の1F当身」。当たると相手は壁まで吹っ飛んで、そこから壁コンに持ち込めるという……。ちなみに、下段や空中でも、飛び道具に対してでも当て身可能(飛び道具は反射)。



○「どこまでも哀しい女よ……」


 レイPのセリフまで奪うジョインジョイントキィP……それは置いておいて、やよいの上に死兆星が輝いているので一撃必殺可能。



○「星取り重視のコンボに移行!!」


 【紅の豚さんありがとう!!】が一瞬見えたかと思ったらもう一度ジャギを殺す宣言をする鬼畜なジョインジョイントキィP。『百烈』や『バスケ』を用いたダメージ重視のコンボではなく、必殺技を多用した星取り重視のコンボを展開。

 奥義「北斗砕覇拳」*25で最後の星を奪うと特殊演出に*26

 ジャギの命と引き換えに7つもの☆をやよいにプレゼントしたジョインジョイントキィP。やよいの兄弟も喜ぶことでしょう。


あと、セスタスは全然関係ない。



○「死期が近づくと勘が冴えてな……」


 流石は北斗神拳二千年の歴史の中で最も華麗な技を持つ男! 出来の悪い弟とは一味違う!




 ふう。以外と長くなりすぎた。

 後編:『本日のモヒカン向けニコマス』ヒャッハー!てつをPだー!(後編) - はてなで留まってすぐ溶解

*1:但し一撃必殺技の準備に大抵は1Rかかるので、これは見かたによっては戦術次第とも取れます

*2:安くて5割。特定状況では10割もザラ

*3:但し各キャラの研究によって『最強』が順次代わっていったという経緯もあります。一時期は「マミヤが最強」と言われていたこともあるとか。現在ではトキ対策も進み、また、他キャラの研究も詰まってきているので必ずしも「トキ一強」とは言えないそうです。現在の有力な見解では『トキ≧レイ≧ユダ』だとか。人によっては『ユダ>レイ>トキ』とも。よって安易に『トキはクソキャラ』『トキがいるから北斗はクソゲー』などと発言するとモヒカン(後述)に狩られます。

*4:中野TRFにおける『北斗』プレイヤー達のこと。超上級者を『修羅』と呼ぶことに対するアンチテーゼ。本当の初級者は『種籾』と呼ばれることも。

*5:後述の『バスケコンボ』から。目押しコンボの難しさを揶揄して『世紀末リズムアクションゲーム』とも。

*6:アニメは東映ひでぶっされますが、ゲームを素材にすると見逃してもらえることが多かったり。

*7:圧倒的な立ち回りの上手さを誇るにも関わらずコンボをミスることが多く、そのファンタジックすぎる動きに対戦相手までもがgdgdになるという能力を持つ修羅。シン使い。

*8:「キャーイチサーン」の元になった人物。『北斗』のために新潟から東京へ引っ越したり、対戦のために相手にお金を貸したりなどの余りにも強すぎる愛に定評のある修羅。ケンシロウ使い。

*9:ユダ使いとして相当の実力者ではあるものの、負けがこんでくると『実況が本キャラ』などと揶揄される方でもあります。東方好き。

*10:カーソルを動かす音が『ジョイン』。つまりカーソルを2回動かしてトキに合わせ、選択すると『トキィ』とのアナウンスが入るのです。

*11:原作でも十分強かったですが、ケンシロウラオウをノーダメで屠れるほどじゃなかったぞ。

*12:トキ自体の研究がまだ進んでいない頃の動画なので、これでもコンボは有情な方です。

*13:要するに、バランスは改善されたがゲームとしては更に何かが狂ったということ。

*14:いわゆる超必殺技ゲージ。

*15:高速移動に用いるゲージ。専用ボタンを押すとゲージを消費する代わりに高速移動を行います。「ブースト移動」を略して「ブー」と呼んだりなど。

*16:「増やす」のではなく「減らす」という珍しいゲージ。

*17:七星ゲージは特定の必殺技を当てるなどすることで減っていきます。相手の七星ゲージを減らすことを優先するのか、体力を減らすことを優先するのかはプレイヤー次第。

*18:πタッチしようとした

*19:あまりにも冷酷かつ正確なプレイを行うことから『精密KI械』『中野TRFのラスボス』『マミヤ以外全一(全国一位の略)』と呼ばれる修羅の中の修羅。

*20:中野TRFの修羅、クソル氏は敢えてナギッを封印しつつも豪快な立ち回りで相手を押さえ込むことを旨としており、氏のトキは隠しキャラ『那戯無闘鬼』(ナギなしトキ)と呼ばれています。

*21:原作では単なる『構え』の筈なのに……しかも飛び道具扱い。

*22:キャラ性能的に下位に甘んじるサウザーを使いながらも高い実力を持つ修羅。ニコニコでも動画UP主として有名。

*23:「ねぇねぇどんな気持ち?」

*24:「移動ブースト(技を出しつつブーストする特殊テクニック)を使っての屈み小キック連発」

*25:原作ではラオウに放った一撃。ラオウの頭上に死兆星を輝かせました。中野TRFではクソル氏がファンタジーなタイミングで放つ砕覇拳は特に「クソルアッパー」と呼ばれています。

*26:普通なら入る追撃もこの演出の所為で入らないことが多いので、通常は砕覇拳で最後の星を取ることは避けます。