ミステリオタが非ミステリオタの俺にミステリを紹介するための10冊

1.ミステリオタの友人が非ミステリオタの俺にミステリ世界を紹介するための10冊(あと6冊)

ミステリ,小説,紹介するための10本

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マジで「やられた!」ミステリー : アルカン速報

 学生時代、すんごいミステリオタの友人(仮に『K』としておく)がいて、それまで推理小説など1冊も読んだことのない私は、ついうっかり「面白そう」と思ってしまったのですよ。で、「推理小説の世界に嵌ってみたいから、何冊か入門編のヤツを教えてくれ」と言って、薦められたのが以下の作品。
※『紹介するための10冊』と銘打っておりますが、現在4冊しか読めておりません。また、文体は例のエントリの真似をしておりませんのであしからず。


その1.『そして誰もいなくなった』 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫): アガサ クリスティー

K:「後に一大ブームというか一つのジャンルとなった『館モノ』のさきがけにして、推理小説の草分け的一冊。分かりやすくて面白い。正直、何の事前知識もなくこれを読めるお前が羨ましくてしょうがない」

 名前だけは聞いたことがありましたね。タイトルも作者も。とりあえずは古典を読めと言う事かと理解しました。小樽の本屋で購入。5日で読了。


読後
 なるほど、と思いましたね。そういえばコナンや金田一の漫画ならば読んだことがあるわけで、成る程これがああいった物の原点にして原典か、と。推理のエッセンスやサスペンスのエッセンスなどがバランスよくちりばめられていて、確かに自分のような初心者向けなのかな、とも思いました。そして、「事前知識なく読めるのが羨ましい」という気持ちも良く分かりました。確かにこれは幸せだ。
 又、古典であるが故に面白くないかというと全然そんなことは無く、漫画やゲーム等と違って、小説は技術の進歩や時代の流行がそれ程反映されないので、現代の作家も100年前の作家もフェアに勝負していることになるのかな(もちろん表現やストーリーの流行等はあるでしょうが、漫画やゲームほどには影響されないはず)、とも思いましたし、だからこそ、小説というものは新たな方向性を模索し続けているために面白いのかも、という感想も抱きました。


その2.『十角館の殺人』 (講談社文庫): 綾辻 行人

K:「入門編としては高度かもしれないが、『館モノ』の中でも俺が傑作と考える一本。『そして誰もいなくなった』をはじめとする『館モノ』をパロディというかオマージュしている。あくまで『そして誰もいなくなった』を読んだ感想をふまえた上で読んで欲しい」

 この時点で、Kが私をミステリファンとして育てようという意図が感じられましたね。『館モノ』なるものを一冊、というか推理小説を一冊しか読んでいない所がKも私も不安でしたが、一応2冊目として薦められました。札幌駅の本屋で買って2日で読了。

読後
 興奮しましたね。確かにパロディというかオマージュ。もっと色んな小説を読んでおけばもっと楽しめたのでしょうけど、そんな後悔が消し飛んでしまうほどの面白さでした。推理を楽しませてくれながらも(途中で何度も読み返してアリバイを確かめたのは初めてでした)、スリル&サスペンスで盛り上げる。小説もやはり時代に合わせる側面があったり、『魅せ方』のノウハウの蓄積が大切なんだなとも思いました。
 そういえば、自分にはミステリの前提知識が全くないつもりでしたが、この作品を読んでいたらそうでもないんだなと気づきましたね。作中では登場人物が有名推理小説家の名前であだ名されているのですが、そういった人々の名前くらいは、歴史上の人物と同じ感覚で覚えてはいたのだな、と。


その3.『悪意』(講談社文庫): 東野 圭呉

K:「これはとにかく凄い。本当は100冊くらい読んでからこれに触れてほしい。だからいきなり読めとは言わない。だが本当に『これはっ! このっ! やられたっ!』と思った。今のところ生涯で5本……いや、10本以内くらいには入る」

 そこまで言われて「100冊くらい読」むまで我慢できるわけないだろJK。同じサークルの別のミステリオタとの会話の中にも何度となく出てきたこのタイトルにはずっと興味がありました。というか、その「とんでもなく凄いらしい本」が読みたいがために、Kにミステリを紹介してもらったと言っても過言ではないくらい。Kには黙って『十角館〜』と同じ本屋で購入。2日で読了。

読後

 このやろう。これは本当に凄い。成る程確かに大きなパラダイム転換を使った作品であり、Kが「100冊くらい読んでから」と言いたかった気持ちも分かりました。非ミステリの小説などでも見かけたテクニックに、「叙述トリック」という名前がついていたのも、この作品を読んだあとにKから聞きました。


その4.『アクロイド殺し』 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫): アガサ クリスティー

K:「『アクロイド殺人事件』というタイトルになってるかもしれない。『そして誰もいなくなった』と同じ作者だけど、これはもう少しレベル高い。まあお前なら大丈夫だろ」

 はいはい『アガサクリスティ』も『名探偵ポワロ』も知ってますよ(笑) まあ『ポワロ』に対して「小太りのちょっと惚けたおじさん」というイメージは持っていました。自分が知っているくらい有名なシリーズだったので、ちょっと意外。でも、「お前なら大丈夫」と言ってくれるのが少し嬉しかったりして。

読後

 成る程確かに「少しレベル高い」。推理を抜きにしても、当時のイギリスの風俗が分かったりして読み物として面白かったです。


 この直後くらいにKも私も大学を卒業し、今ではたまに電話連絡をするくらいになってしまい、結局『ミステリオタの友人が非ミステリオタの俺に紹介する4冊』になってしまったのですが、冒頭のエントリ読んでまたミステリ読んでみたい病に囚われてきました。

 という訳で、その5以降のオススメをどなたか教えてください(笑)

2.ここは、アイマスとかニコ動とかのブログです

アイドルマスター,ニコニコ動画

 で、ここからアイマスニコニコ動画、通称ニコマスのお話になります。興味のない方は撤収でお願いいたします。



 「初心者に何かを薦める」というのはつまりこういうことなのではないかと思うのです。つまり、「名作だけを紹介すれば良いというものでもない」。Kはまさにそれを分かっていたのであると。Kが考える「名作」は他に幾らでもあったと思うのです。しかし、私のような素人に薦めるための作品を厳選し、読む順番を上手に考えて私をある程度楽しませ、かつ少しだけ育ててくれました。
 私がニコマスでやりたいのも、つまりはこれだと自分で思うのです。ニコマス初心者、いや、初心者ですらない人にニコマスに嵌ってもらうためには、わかむらPやえこPや慈風Pの作品ばかり見せていてもしょうがない。もちろんニコマスの頂点Pたちの作品は、前提知識が無いまま見ても問答無用で視聴者を引き込む力を持っていることは疑いがありませんが、それでも、我々のような重度のニコマスオタが神MADを観て「これはすごい」と思うのは、「アイマスの何たるか」「ニコマスの何たるか」を知っているためという部分がプラスされていると思うのです。
 だから、所謂『一般人』をニコマスに嵌らせるための紹介を行うには、神MADばかりを、あるいは『やよぴったん』から順番に見せるのでもなく、「アイマスとは何かを教えるためにノーマルPV(知名度の高い『ごまえー』あたり)を数本見せる」「『歌ってみた』『踊ってみた』や『ボーカロイド』『東方』など、他ジャンルのファンを取り込む」「楽しさが伝わりやすい、シンクロ率の高いMAD(yotaPの作品とか)を見せる」など、初心者に紹介するため用のテクニックがあると思うのですよ。

 
 まあ、「お前が言うな」って感じですが(笑)



 よし、全員分の『紹介するZE』が終わったらこういう動画をつくろう。