函館で温泉、おそば、お酒
函館に住んで3年くらいになるけど、最初の頃は蕎麦屋の多さに驚いた。コンビニが多いか蕎麦屋が多いかってレベル。 通りを歩けば300m毎に一軒くらいの割合で蕎麦屋があり、30万の市民一人につき少なくとも5軒の「行きつけの蕎麦屋」があるといわれる*1、そんな街、函館*2。
今日は休日だったのでちょっと温泉とお蕎麦しに湯の川方面へ向かってみた。なにやら蕎麦が不作でお蕎麦屋さんも大変みたいだしね。
朝から温泉は最高
ちょっと散歩がてら五稜郭公園を歩いて電車*3に乗り約15分。
「函館市民会館前」で降りて、今日の温泉はこちら。湯の川の端っこに建ってるホテル『雨宮館』。
ボロ昭和テイストっ!
まあ外見から中身も推して知るべしで、古いし、狭いし、設備は銭湯並だし、ヤクザが周囲を威嚇してるしで散々なもの。けれども湯の川の中では安い400円という値段とサウナ*4がある点が個人的なポイント。今日の主眼は温泉じゃないしね。
ヤクザの威嚇に負けずに湯船に浸かって、サウナに入って、涼んで休んで、威嚇されて、また湯船に浸かって……を5回くらい繰り返して、視界が1mくらいまで狭まるころには1時間くらいは経ってるから、ゆっくりと外に出る。
11月の風が心地良い。
温泉のあとはお蕎麦だお蕎麦。あとお酒。
で、湯の川の町を散策する。と、いうより、お蕎麦屋さんを探す。結構奥まったところにあるのよ。
30分くらい迷って歩けば視界が3mくらいまでには広がって湯の川を一周できる。
やっと見つけた。ホテルのすぐ近くだった。
蕎麦屋『起進堂』(きっしんどう)。
何でも函館でも5本の指に入る名店だとか。自分は一昨年引退された会社の監査役に教わった。70過ぎても矍鑠としたお洒落なおじいさんだったけど元気でおられるだろうか。
兎にも角にも、まずは定番鴨南蛮。
お蕎麦は『機械打ち』と『手打ち』、そして『更科』と『引きぐるみ』を選べる。本日は『手打ち』の『引きぐるみ』を選択。
そしてお蕎麦を啜り、ころあいを見計らって熱燗と天麩羅を……
なにぃ!? ビールしかないだとおおおっ!
ふざけるなっ……! 蕎麦屋でビールが……飲めるかよっ!
飲めるんだなーコレが♪ 温泉上がりだからビールの方が良かったかもしれない。男は黙ってサッポロビール*5。
お蕎麦をシコシコと啜って、セルフで『抜き』にするのだ。"通"の人は最初から『抜き』を頼むらしいけど俺は通じゃないし。空きっ腹にお酒を流し込むとおなか痛くなるしね。お通しが板わさ(72)ってのも嬉しいじゃないか。それにしても熱燗があればなぁ。
鴨の胸肉とつみれと、南蛮と、脂の浮いたツユを肴にビールを飲むのだ。これぞ天国なのだ。それにしても熱燗があれば……。
そうこうする内にビールと一緒に頼んだ天麩羅がやってくる。蕎麦屋の天麩羅だ、「塩で」などとつまらないことは言わず天ツユで豪快に食えばいいのだ。
海老天3本と海苔天、あと野菜。板わさ(72)と海苔天の取り合わせが天国だあああああぐああああああ熱燗があればなああ。
完食。
鴨南蛮、中ビール1本、天麩羅盛り合わせで〆て2,402円なり。お姉さんの接客もやたらと素晴らしくて良いお店でした。あと熱燗があれば完璧だった。
そして再び外に出る。
晩秋の函館、昼過ぎの空気が美味い。これがいいんだこれが。
また、この蕎麦屋のいい所がもう一つ。
電停が近いのよね。奥に見える高い建物がさっき行った『雨宮館』。
この季節の『電車』は、ケツの下からじわじわと暖かいのよ。ボーっとしていれば家の近くまで連れて行ってくれる。
長野で働いていた頃は休日にはいつもこんな感じで過ごしてた。ま、信州ほどじゃないにしても、道南もまた蕎麦処だしね。
幸せな休日でした。