なんか、気づいてしまったような気がしないでもない気がする

ニコニコ動画著作権アイドルマスター


「ニコニコ動画」でMADも削除 ドワンゴが権利者に申し入れ
ニコニコ動画、映画やアニメの二次創作作品を削除へ--日本映像ソフト協会らの要請で

このネタに関する議論や意見はもう出尽くしてしまった感があるかもしれませんが、一つ大きな嫌な予感が。

これ、つまりは「業界団体がMADの存在を認めた上で、『それはダメ』って言った」ということですよね。同人誌でも個別に訴えられたり問題にされたりしたことはあったけど、業界全体として「同人誌はダメ」と言ったことはない……と思う、多分。

でも今回は映像MAD一般そのものに対して業界がNOを叩きつけたわけで、これは多分、今はニコニコ動画が対象なんだろうけど、論理的に考えるとその「NO」は世の中に存在する全てのMAD全般に対して成されたに等しい。

つまり、youtubeだろうがzoomeだろうがveohだろうが逃げ場は無いわけで、MADは再びアングラに潜る時が来てしまったのかもしれません。


アニメは殆ど見ないのであんまり詳しくありませんが、フリーライダーが企業の収益を損じて業界全体を最先端でしぼませているのは確かなんでしょうけど、逆にこういったMADを初めとするオタク文化が業界の下支え、あるいは周辺での盛り上げを担当していたのもまた真実のはず。ただ、後者の方は私の勝手な妄想で検証などしては居ないのですが、もしかするとこういった業界は先っぽと底辺・周辺から終わっていくのかも。


業界団体はつまり需要する者としてのオタクは受容するけど、二次創作などで界隈を盛り上げるオタクの姿・存在は認めないということなのでしょうね。『市場』は『市場』らしくしていろと。それは企業あるいは業界として当然の考え方で原理的なものなので、それを責めるのはいかがなものかと思うのですが、じゃあ『MAD業界』は誰が守ってくれるのかというとそういえば今更周囲を見回してみると誰も守ってくれる人は居ない。オタクが自分で守るしかない。でも「オタク」という枠組みがそもそも存在するのかってくらいに今のオタクは様々な意見が合って、今回の件で「ざまあwwww」といっている、MADの存在を忌避している人も多かったりするので、本当は本当に誰も守ってくれないのかもしれません。



なんか「業界」VS「オタク」な構図にしてしまいそうで怖いのでここで一旦別なことを考えましょう。
改めて考えると、「MADは目立つと消されるからあんまり目立つな」と言っていた人の正しさが身にしみるかもしれないのですが、ニコニコ動画にMADを上げている人なら全員が同罪な気もしますし、どこからが罪人でどこからが「そういうことを言う権利を持つ人」なのかは全然分かりません。「発表の場」が奪われればそれに関わる人も必然的に少なくなるでしょうし、そういった「内部」分裂も考えると、「MAD業界」というものがあるならばそれ自体の危機と言えますね。目立つのがダメだったというのなら、こういった浮き沈みは数年のスパンで定期的にやってくるのかも。



で、こっからアイマス関係の話になるのですが……考えがどんどん悪い方向に行ってしまう。

今回の措置の論拠はただ一つ「著作権に違反しているから」。
MADは須らく著作権に違反しているわけで、それはアイマスMADも例外ではない。アイマスだけが除外される理由というのはそこには無い。音楽がJASRACにどうとか以前に、映像をゲーム動画使っている時点でもうアウト。まあ、バンナムは今回関係している業界団体には所属していないですが、黒であることには変わりない。


そう考えると、ニコマスの終焉は案外早くやってきてしまったのかもと思えます。
24時間テレビも大成功に終わってせっかくニコマスが新たな領域に突入していきそうな気配を漂わせているだけに、物凄く心配。



というか今回の措置の主体はあくまで業界団体。この話の登場人物も業界団体とニワンゴでしかない。
バンナムはどう思ってるんだろう? L4Uは明らかにニコマスMADを意識していたし、ラジオがニコニコにやってきたりしているので、かなり「こちら」寄りであることは確かなはずなんだけど……いいやまた明日考えよう。