ニコマスについていけるいけないの話について

 「『この動画がスゴイ2009』だって? OK、ニコ部じゃないけど乗ってやろうじゃないのアイマス動画オンリーでいってやろうじゃないの……」
 
 と思ったのですが、よく考えてみれば最近はあんまりアイマス動画を観ていなかったのでした。どうしよう。


 最近一番見ている動画といえばこちら。『TopGear』。


 うん、いや、本当に好きなんですよ、トップギア。この番組は良い。というか、番組に出演しているオヤジ達、特にメイン司会者のジェレミー・クラークソンが本当に良い。

ジェレミー・クラークソンとは (ジェレミークラークソンとは) [単語記事] - ニコニコ大百科


このオヤジが自動車について、特に出来の良いスポーツカーに関して語っている時は実に楽しそうです。


この辺とか読むと良いかな



 というわけで、いや、どういうわけでも無いんですが、ちょっとだけニコマス界隈で立ち上ってる話題について。

TomFの二次資料室 わたくしごと
ニコマスの進化と自分のかかわり方(未完)

上はTomさん、下はbouncingさん。「ニコマスの進化により、自分が楽しめないものが増えた。ニコマスに付いて行けない自分はどうすれば良いのだろうか」という悩みのようです。


 いや、どうなのでしょうね。正直なところそんなに悩むべき事では無い気がするんですけどね。
 そもそも私などは「それは進化なのか?」と突っ込みたいところですが、これは突き詰めると技術論に行きそうになるので割愛。正直ニコマスの技術論については08年の時点で付いて行けなくなってるので。

 「一部の動画を楽しめない」「付いて行けない部分がある」「合わないかもしれない」 結構なことですよ。玉石混交ってことでしょう。
まあ、某ブロガーさんに「gouzouさんは動画に優劣を付けられないよねw」と言われてますがそのとおりで、私にとっても「玉/石」ではなく「合う/合わない」でしかないのですが*1、要するに「一部は楽しめるがある一部は楽しめない」ということでしょう。


 それに何の問題が? 玉もあれば石もある。良いものもあれば悪いものもある。合うものもあれば合わないものもある。それが文化ってもんでしょう?


 ニコマスは文化です。であれば玉も石も混交しているのが当たり前です。玉も石もあって初めて文化なのであると言っても過言ではない。合ったり合わなかったりして、楽しめたり楽しめなかったりして当然なんです。何も悩むことは無い。

 例えばクラシックが好きな友人が居ましたが「だがモーツァルトてめーはだめだ」って言ってました。モーツァルトって好きな人はとことん好きですけど、嫌いな人はとことん嫌う「ジャンル」ですよね。つまりそういうことです。「付いて行けない部分がある」「好き/嫌いが発生する」ってのはつまりその文化が豊潤であることの証左ですよ。


 だからと言ってその文化へのコミットをやめてしまう必要があるか? 答えはもちろんNOです。その文化そのものについて「嫌い」「飽きた」のなら話は別ですが。
 ジェレミーにだって好き嫌いはあります。というかありすぎます。

 彼はまずFR以外のポルシェが嫌い。

ポルシェですよ!


 さらに、同僚のジェームス・メイ(右)が駆るフェラーリF430に向かってこう吐き捨てます。


フェラーリにですよ!フェラーリに!


 そしてノロくてトロくて粗雑な車が嫌い。


 バイクが兎に角嫌い


 ハイブリッド車が大嫌い



 だからといって彼は自動車文化を嫌いになるか? そうではありません。どんなにRubbish(クズ)な車が作られようと、彼は自動車が好きで好きでたまらない。その衝動が彼を突き動かします。

 我々もかくあるべきだと思うのですよ。好きなものを、情熱を持って語ればいい。

 まあ、彼はRubbish(クズ)な車には英国人らしい徹底的な罵倒と破壊を持って応えますが、もちろんそういう部分は真似しなくても宜しい。どうせプロでは無い人間が作った無料の動画なんだから、良いものを見つけたら徹底的に褒め、よくないものを見つけたら黙ってそっと「閉じる」ボタンを押す方が健康にも良い。幸い、そういうニコマス動画には出合ったことは無いですが。





その文化が好きなのなら、未来を信じて好きでいればいい。

(男性ホルモンが強すぎる人間はこの車のことを『女の車』だとか『ゲイっぽい車だ』などと罵倒するかもしれない)


まあ、お好きにどうぞ。マスタングやらフェラーリに無駄金をつぎ込めば良い。


しかし事実として、スポーツカーが欲しいならMX-5*2は完璧なのだ。


この車以上にお買い得と言える車は今存在しない。


これだけの楽しみを得られる車は無い。


この車が5つ星なのは、14つ星はあげられないからだ。


そう、好きなものを情熱的に語るのは本当に楽しい。この顔を見てください。



 そして、dbdbPはああ言ってますがニコマスの楽しさを多くの人に向けて説くのはさらに楽しいはずなのです。

 考えてもみてください。ニコ厨の中で、ニコマスをメインに観ている人間、いわゆるニコマス派はだいたい1万人いるでしょうか。ではニコニコ動画の会員数は? 12月14日時点では1500万人いるそうですよ。1499万人の人にアイマスの、ニコマスの素晴らしさを伝えられたらきっと楽しい……はずなんです。 それが成功すれば本当に嬉しい……筈なのです。きっとこんな風に。

 私は本当に力不足で、ジェレミーのまねをしようとして自爆したこともありますニコマスの楽しさを本当に伝えられたことは、成功したことは一度も無いので楽しめたためしは無いのですが、きっと楽しいはずなのです。TopGearが凄いのは、それをコンテンツにできる所。


 だからもっと、この文化について多くの人に語ってほしい。adobePはああ言ってましたが、別に「自分だけの表現」なんて探す必要はないと思うのです、それが出来るのはプロだけです。表現が拙くたっていい、誰かと被っていたっていい。貴方が表現したのならそれは貴方だけの言葉です。


だからもっと、声を大にして言いましょうよ。

ニコマスは素晴らしい。すごく楽しい。皆も観ようぜ!」



 ニコマスという文化は本当に豊潤で、恐れを抱く気持ちも分かる。でも、だからこそ未来はもっと楽しいはずで、そこへ歩んでいくことには価値があると思うのです。





というわけで

*1:そして幸甚なことに『合わない動画』に出合ったことは無い(思い出せないだけかも)のですが

*2:マツダ ロードスターの欧州名

「このアイマス動画がすごい! 2009」

 某ブロガーさんに言われたとおり、動画に優劣を付けるのは苦手なのですよ。何しろ、「ニコ厨にアイマス動画を30本くらい薦めよう」と思って「これもオススメ」「あれもオススメ」と選んでいってたら200本を越えちゃったくらいだし。


 でも頑張って選んでみるよ。



 「ああ、どうせ3A07なんだろ?」と思ったそこのアナタ。




そうだよ!

1.【アイドルマスター】3A07 〜Memories are here〜


 「全編3DCGのドラマだよ、すごいねー。」で終わりじゃない!
 一流の料理人による一皿のように上手にまとめたストーリー、楽曲とシンクロさせた全く隙の無い演出、そして何よりも、3DCGで描かれたキャラクター達の『演技』に注目していただきたい。

 特に目が凄い。本当に彼女達が「生きて」います。誰にも出来なかったことをこの動画製作者達はやってのけた。「アイドルマスターの再誕」を。


 この動画は『アイマス公式ではない自作3DCG』を用いた『ストーリー動画』であるわけですが、どちらも「アイマス動画の先鋭化の一端」と捉えられることが多いですね。
 しかし、それらの技術を使ってでも、こういった「マスに訴えかけられる動画」は生まれ得る。昨年の2月あたりに誰かさんが「アイマス動画は先鋭化しすぎているから動画製作者達はもっと一般にも受ける動画を作るべき」と言って大炎上しましたが、こういった動画はどんどん生まれてきているはずなんです。




 実は私の考え方自体は炎上した彼に近くて、マスに訴えるのが楽しいのではと考えています。それが私なりの挑戦なのですが、そんな私が「多くの人に訴えられる力を持っているはずなのに、いまいちマスには届いていない」と考えている一本がこれ

2.アイドルマスター アイマスカパラダイスオーケストラッ!(↑)



 この動画を「説明」しなければならないと言うのだから……はぁ。
 楽しい動画です。『3A07』よりも遥かに。「女の子がなんか踊ってる」というのが一般的なアイマス動画の認識のようですが、この作品は今のところそれの究極形態です。これ以上に楽しいダンスPVは現時点では存在していません。だから……ええと……いいからとにかく観ろよ!



3.アイドルマスター エージェント 〜Moonlight Paradise〜



 私は最近、ダンスPVを「ノリ・テンポ・楽しさ」と「美しさ・綺麗さ・可愛さ」の二つの軸を基本に据えて紹介しています。『アイマスカパラダイスオーケストラッ!(↑)』が「2009年 究極の楽しさ」なら、こちらの『エージェント』は「2009年 究極の美しさ」です。
 「息を飲む」という表現すら陳腐に見えるこの魂に届く美麗さ。ある意味アンタッチャブルな魅力を持つ動画ですが、是非とも触れていただきたい。





 私の紹介の手法の一つとして「たまに手描き絵を混ぜなければ死ぬ」というものがあります。というか、その縛りが無くても選ばざるを得ない。

4.アイドルマスター 「ManyColors」



 アイマスを知っているのならばそれで良い、知らないなら知らなくてもそれで良い、という動画です。「デザイン」です。「デザイン」なのです。このカラフルさに虜になっていただきたい。




 そういえば先ほど「マス」の話をしましたが、ニコマスで一番「マス」を意識して動画を作っている人といえばこの人ではないかと。

5.【im@s新年会】THE IDOLM@STER WAKAMURA RECYCLE VOL.03 (Dance! Dance! Dance!)



 ええ卑怯ですともさ!

 アイマスファンなら反論が帰ってこない人気動画製作者の、色々詰め込まれてお得なメドレー動画で、そして長い。誰にも決して文句を言われないチョイスです。卑怯です。
 でも、やはり良いものなんですよ。楽しいし、15分間飽きさせない工夫をしている。マスに見られること、見せることを意識していて、その試みが成功している。一部の人にはそれが「仕事ライク」に映ってしまうようですが、それが何か? やはりどう転んでも「凄い」ことに変わりは無いのです。




バランスをとる?という訳ではありませんが、つぎはこちら

6.アイドルマスター ワンダーモモーイ by 亜美@とかち re:produce



 モモーイ本人も絶賛ということで多くのアイマス動画民が浮かれてたけど、それを抜かしてもやはり良いものは良いのです。
 「自作3Dモデルを動かしたから凄い」とか「キャラを切り抜いて本来ありえない場所で躍らせたから偉い」とかそういうことじゃなく、その立ち位置に奢らずに表現・構成・演出を煮詰めた結果こういうとんでもないものが出来上がるのです。




有名人が絶賛という意味ではこちらも

7.【あずさは】 小野坂昌也アイマスを語る 【俺の嫁!】

■ヤング師匠 あずささんにホイホイされる - はてなで留まってすぐ溶解

 たしかにちょっと引きますよね。というかドン引きです。
 でも、アイマスの素晴らしさを公共の電波に乗せて語ってくれた。我々の気持ちを代弁してくれた。それが嬉しく素晴らしいのです。



アイマスは素晴らしい。素晴らしいんだ。

8.アイドルマスター「じゅもんをあげるよ」やよい



 いや、言いたい事は分かるがちょっと待ってくれ、話を聞いてくれ。確かにこういう場所で紹介するようなビッグタイトルでもメジャー作品でもない。それは分かる。でも俺はこの動画でマジ泣きしたんだ、ボロ泣きしたんだ。それだけでも紹介する価値がある。

 「紹介」というのは、結局その個人の体験の切り貼りだと思うのです。「泣いた」とか「我を忘れて2時間くらい見ていた」とか「あまりの美しさに呼吸を忘れていた」とか、そういった『体験』こそがコンテンツになり得る。
 そういった体験ができるのがアイマス動画であり、そういった体験を語ることで人を楽しませることができるのがブログなのだと思います。



泣いた動画といえばもう一本

9.アイドルマスター 彼女と笑えれば。



 ↑もうね、このシーンで号泣さ。
 「泣くんじゃない、笑うんだ」だって? 無理!




もう10本目!?

10.アイドルマスター meets PerfumeDream Fighter” (IM@S EDIT)



 ノリが特別優れているわけでもなく、画が殊更美しいわけでもなく、しかしそれでも完璧な演出であると言える一本です。ダンスPVにストーリー性を盛り込みつつ、それでいて尚ダンスが崩れていない。中盤以降の展開はどう考えても09年No.1。

ああ、ここでまた11個目に『IDOLCOMBAT SP 偽OP 「天使になりたい」』とか選んでしまうとまた某ブロガーから笑われるので自重。





やっぱ10個じゃ足りないよ!しょじょんPのJunior SeniorとかにぎりがくさいPの団結とかドリフとかアイトロマスターとかアイドル長屋とかけいおん!手描きパロとかしゃどPのハンマーソングとか歌ってみた合作とか叩いてみたとかカブキンPとか色々紹介したいのに!

ああもうこの辺で探せばいいよ!



つづき